北の国から 2011 家族
母さん
今日はボクが産まれて、ちょうど1年がたちました。
どう見ても、ボクの母さんの母さんじゃないと思うけど
自分のことを「(ボクの)ばあちゃん」と言っている人が、
「おめでとう!」
って言ってくれたわけで…。
ボクは覚えてないけど、
ばあちゃんが、本当は朝妃の方が先に産まれると思っていたらしく、
馬小屋に行ったら、ボクが産まれてて、ばあちゃんがビックリしたらしい。
母さんの名前「コリンスティー」のリンをとって、
麟太郎
って、ばあちゃんがつけてくれた。
女の子が産まれてたら、「美」しいに「凛」で「美凛・みりん」にしようと思ってたんだって。
酒好き
って意味が分からないんだけど、ばあちゃんはみんなにそう言われてる。
事故で母さんが死んだとき、ばあちゃんが何度も何度も
「ごめんね」
って、ボクに言ってた。
ボクは、動かなくなった母さんがトラックに積まれて行くとき、
ボクを押さえていたばあちゃんのお母さんの手を振り払って追いかけたんだ。
もう2度と会えない気がしたから。
ばあちゃんは母さんが息を引き取る直前、
母さんと約束したんだって。
ボクを手放したりしないで、手元に置いておくよ
って。
それからボクは、ずっとばあちゃんに育てられて、
みんなとも離れて暮らすことになったわけで。
妹は、みんなと暮らす予定だったんだけど、
ボスの菊姉さんが、ちょっとおっかないからって
ボクと暮らすことになったんだ。
ボクは、嬉しくって、結構どう猛な犬から守ったりしたんだ。
妹はボクを頼ってくれた。
昼寝も一緒にした。
ミルクも一緒に飲んだ。
草も一緒に食べた。
草を食べてると、窓から3色の動物と2色の動物がボクらを見ていることがあって
ボクは2色の方は 牛じゃないかって言ったんだけど、妹は物知りで
あれは猫だって言ってた。
妹も4日後に1歳になる。
もうすぐ離れて暮らさなきゃいけなくなる。
ちょっと寂しいけど、それも仕方がないわけで。
今朝、ばあちゃんが荷物を受け取っていて、
中を開けてみて、大笑いしており、
見せてもらったら、
ボクらが産まれる3ヶ月前に、ここを去った仲間の名前が書いてあるTシャツだった。
ばあちゃんはひとしきり笑うと、ちょっとだけ遠くを見てた。
ボクが母さんを思い出すときと同じ目だった。
ばあちゃんは、それからボクたちのところへ来て、草がたくさんあるところに連れて行ってくれた。
じゅ~ん! ほたるぅ~! 草ぁ~食べに行くぞ~!
ばあちゃんは、時々変なおじさんのものまねをするわけで…。
2011年の夏が始まろうとしていた。








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